優秀な人材の獲得を妨げる
日本の「年功序列型」給与システム

 英語が堪能で優秀な人材と、言葉の壁が低く優秀なITエンジニアに関しては今後、ますますグローバルな獲得競争が強まっていきそうです。そうした人たちにとっては、海外に移り住むことさえ厭わなければ大きなチャンスがあるといえます。最近は減少している海外留学も、投資に対するリターンが大きくなるため増加に転じるかもしれません。

 見方を変えると、企業はグローバル人材の確保がいっそう困難になっていく可能性があります。加えて、日本企業の給与面の魅力がさらに低下すると、海外から優秀な人材が来なくなってしまいます。ダイバーシティが重要になっている現代において、これには強い危機感を持つべきでしょう。

 こうした状況を踏まえると、日本企業は従来の年功序列型賃金を変えていかなければなりません。一般的な日本企業の給与システムは、若い頃は安く、長期的に増加していく「後払い型」ですが、これではタイムリーに優秀な人材を獲得することが困難です。一部の企業では新卒に対して柔軟な条件を出すようになるところも出てきましたが、まだまだ限定的です。

 給与制度そのものを柔軟なものに変えていかないと、優秀な人材が確保できなくなる可能性を、日本企業の経営者や人事はもっと真剣に考える必要があると思います。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)