最大のコスト要因をゼロにする
魔法のテクノロジー

 そこでカギとなるのが「自動運転車の実用化」だ。

 図は一般的なタクシー事業と、自動運転車を用いたロボタクシー事業の収益構造を試算したもの。ウーバーは自社の社員を運転手とせず、車を持つ個人を運転手として乗客とマッチングする仕組みが一般のタクシー会社と異なるが、運転手に売り上げの約8割を支払っていると明かしている。

 つまり、運転手への報酬という労務費(人件費)がコストの大部分を占め、売上高に当たる手数料収入だけで費用を賄えない状態が続いている。さらに、雇用関係などをめぐり世界中の運転手から訴訟を起こされるなど、現在の事業モデルの足元もぐらつきつつある。

 これがもし、自動運転技術の実用化でロボタクシーが実現したらどうなるか。仮に現在のウーバーの車両が、運転手が不要な自動運転車に全て置き換わると、労務費は一気に消滅。すると自社で管理する車両関係費などの負担増を考慮しても、収益性が一気に改善し、むしろ1兆円規模の黒字を生む可能性すら考えられるのだ。

 実際、ウーバーは数年前から自動運転車の開発を本格化させ、これまでも年間で数百億円規模という巨額の開発費を投じてきた。

 しかも、見据えるのは「地上」だけではない。自動運転を用いた「空飛ぶタクシー」の実現も目指し、4年後の2023年にも事業化する方針まで掲げているのだ。

 とはいえ、その「道のり」は平たんではない。昨年3月にはウーバーが自動運転車の走行実験で初めて歩行者の死亡事故を起こし、批判が噴出。IPOを前に新たな壁が立ちはだかりつつある。