リクシル決算を発表するLIXILの山梨広一社長兼CEO Photo by Mieko Arai

 従業員にしてみれば、そりの合わない雲上人が、文字通り雲の上で大げんかを始めたようなものだろう。

 LIXILの前身の1社であるトステム創業家の潮田洋一郎氏が、工具通販大手のMonotaRO(モノタロウ)を立ち上げた手腕を見込み、自らLIXILグループのトップに起用した瀬戸欣哉氏の“更迭”に動いて早7カ月。LIXILグループの経営体制は混乱を極めている。

 例えば、3月22日には機関投資家や、トステムと同じくLIXIL前身の1社であるINAX創業家の伊奈啓一郎・同社取締役が「取締役の適正性を欠いている」として潮田氏と山梨広一・社長兼COOの解任を目的とする臨時株主総会の開催を要求した(現在は取り下げ)。

 潮田氏の説得に納得した上で穏便に退いたとされていた瀬戸氏も、実は退任の経緯に不満がいっぱいで、4月5日にCEO復帰を表明。一方、瀬戸氏を解任してLIXILグループの会長兼CEOに就いた潮田氏は、瀬戸氏の任命責任を取るとして4月18日に突如、取締役の辞任を発表してしまった。