優勢なノジマに対し
SBIが猛攻勢

 そこで浮上してきたのがノジマだ。ノジマは市場で4.98%のスルガ株を取得、数百億円を投じて傘下に収めるべく交渉を続けてきた。

 関係者の話を総合すると、ノジマは17年に富士通から買収、個人向けインターネット接続事業を手掛けるニフティのほか、携帯電話販売の大手代理店ITXなどを傘下に抱えている。こうした企業群とスルガ銀行を有機的につなげることで、先進的なフィンテック事業を手掛ける銀行に生まれ変わらせるという戦略を提案しているもようだ。

 ただ、一部に「異業種企業に銀行を再建することができるのか」と問題視する声があるのも事実。確かに過去のケースでは、銀行同士による救済合併や経営統合しかなかった。

 これに対し、ノジマ関係者は「キャッシュレスやフィンテックなど、金融を取り巻く環境は激変しており、旧態依然とした銀行同士では新たなビジネスモデルを創出できない。地方銀行に対しては、金融庁も監督指針に見直しに乗り出し、生きる道を自ら模索するよう求めており、これまでにない形の支援・再建が必要なのではないか」と訴える。

 これに対し、猛攻勢を掛けているのがSBIホールディングス。スルガ銀行とは、北尾吉孝社長がソフトバンクに在籍していた00年に「スルガ銀行ソフトバンク支店」を設立、銀行と証券をシームレスにつないだ営業でトップクラスの支店にしたという浅からぬ縁もある。

 そんなSBIは、三井住友信託銀行と共同で設立した住信SBIネット銀行なども用い、スルガ銀行の顧客基盤を使って相乗効果を狙うとの提案をしている模様だ。

 北尾社長は18年秋、「われわれならスルガ銀行をうまくマネージすることができる自信がある」と意欲を示し、水面下で株式を取得する可能性も示唆しているというが、「スルガ銀行内に、SBIに対する猛烈な拒否反応がある」(関係者)とも言われており、微妙な状況だ。