番組では、後藤さんから1ヵ月の近況を話した後、共演している元当事者女性のコーナーがあり、つらかったときに励まされたり助けられたりした曲を、当時のエピソードと共に紹介していく。

 ラジオはこれまでの経験から、孤立する本人たちとの親和性が高い。後藤さんも、批判的な反応が来るのかと思って身構えていたものの、リスナーからはおおむね好意的だった。

「ただ学校に行かないという選択肢を選んだだけなのに、社会的なつながりも切れてしまって、それがすごくつらかった」「自分だけだと思っていたら、他にも同じような人がいることを知って励まされた」

 当事者や親からも、そんなメッセージが寄せられてくる。

 まさに、番組名にもなった「1人じゃないから」の思いが、ラジオを通して共有される。

「当事者の方やその保護者の方からのメッセージは、リアルなつらさが綴ってあるのですが、なるべく楽しい雰囲気で放送しています」(後藤さん)

周りの人たちの考え方や
偏見を変えていきたい

 番組はコミュニティFMなので、市内でしか聴けない。それなのに多くの反響があることに、後藤さんはびっくりしたという。

「北上市以外の人にも知ってもらいたいですね」

 そんなリスナーの声も寄せられる。

 引きこもりというと、隠すイメージがあった。でも、それは皆が知らないからで、本当のことを知ってくれて当たり前のようになれば、もっと言えるようになるのではないかと、後藤さん自身も励まされた。
 
「最近、本人を手助けするよりも、周りの人たちの考え方や偏見を変えていきたいと思うようになったんです」(後藤さん)