中国ハーベストの参加不透明に

 一体何が起こっているのか。それを探ると、台中連合内部でのメンバーの足並みが乱れ始めていることがわかった。JDIは台湾の宸鴻集団(TPKホールディング)との協議は頻繁に行っているが、中国の嘉実基金管理(ハーベストファンドマネジメント)はJDIの支援を見直し始めているという。

 ハーベストが台中連合に参加して資金注入に参加するのは、JDIが中国浙江省で有機ELパネル工場を建設する計画が前提にあった。だが、中国大陸では京東方科技集団(BOE)や華星光電(CSOT)など中国現地メーカーによる有機ELパネル工場が建設ラッシュになっている。このため中国政府は、これ以上の新規有機EL工場の立ち上げに難色を示しているという。

 複数の関係者によると、これを背景に、浙江省の工場建設計画は事実上とん挫した状態にある。この計画がなくなれば、ハーベストがJDIに出資する根拠が崩れる。つまり、台中連合の最大800億円の金融支援のうち、400億円を負担する見込みだったハーベストの参加は不透明になり、JDIの資金調達はますます予断を許さないものとなった。

債務超過引き金に資金繰り悪化も

 月崎社長は15日の決算会見で、足元のスマートフォン市場の低迷から19年4~9月期は売上高が前年比10%減になるとの見通しを示した。これで四半期ベースの最終赤字が継続する可能性が高く、債務超過に陥るのは秒読み。

 債務超過に陥れば、液晶の部材調達の取引先から代金支払いの短縮を求められ、資金繰りが一段と厳しくなるのは明白だ。台中連合からの資金調達はJDIの生命線であり、それが遅れることは、深刻な資金繰り危機を招くことになりかねない。

 筆頭株主であるINCJは、台中連合の支援が決定するまでの間、最大600億円のつなぎ資金を融資してJDIを支える方針で、当面の資金繰りに手を打った。その返済期限は12月末までとなっている。それが事実上のタイムリミットだ。

 それに先行して8月には、INCJの債務保証で主要3行が設定している1070億円の融資枠の期限を迎えることも大きなヤマとなるだろう。台中連合の支援が完了しなければ、INCJの1520億円の追加支援も発動されず、資金繰り危機が再燃しかねない。