フィアット・クライスラーのカナダ・オンタリオ州にある組立工場5月14日、欧州の上場企業は今年、米国で計1兆2000億ユーロ(1兆3000億ドル)もの売上高を計上する見通しだ。写真はフィアット・クライスラーのカナダ・オンタリオ州にある組立工場。2018年撮影(2019年 ロイター/Rebecca Cook)

[ロンドン 14日 ロイター] - 欧州の上場企業は今年、米国で計1兆2000億ユーロ(1兆3000億ドル)もの売上高を計上する見通しだ。世界的な貿易摩擦の高まりや企業利益と経済成長の鈍化を考えると、こうした欧州企業の立ち位置がいかに危険かがはっきりと分かる。

 アナリストや投資家の見立てでは、売上高ベースで判断すれば欧州と米国の貿易摩擦が激しくなった場合、米国企業よりも欧州企業の方が打撃が大きいという。

 トランプ米大統領は18日までに輸入自動車・自動車部品に追加関税を課すかどうかを決める予定だ。中国との対立再燃に関心を向けることで、自動車関税は先送りするかもしれないが、もしかすると中国と欧州を相手に2正面で貿易戦争を仕掛ける可能性もある。いずれにせよ自動車関税が導入されれば、欧州が誇る自動車セクターにとっては新たに重大な脅威がもたらされかねない。

 欧州では景気が減速し、イタリアなど財政赤字に苦しむ国もあるため、米国との貿易戦争が勃発すると主要企業が受ける痛手はかなり深刻化し、中国がこれまで示してきたような耐久力を欧州が発揮するのは難しいのではないだろうか。