負の遺産

 ゴーン被告が最終的にルノーを去った後、スナール氏は日産との緊張を和らげることに成功し、取締役会のポストを1つ確保するとともに、スナール氏が取り仕切る新たな監視委員会を立ち上げた。

 ただ先月になって、ルノーが推進する経営統合案が日本のメディアで報じられると、両社の関係は再びきしみが生じた。

 その後ルノー筋も内容を認めたこの提案では、両社はパリと東京に上場する新持ち株会社の傘下に収まり、実質的に株式持ち合いは解消される。今はルノーが日産株43.4%、日産がルノー株15%をそれぞれ保有するものの、双方の持ち分の価値はずっと市場に過小評価されている。

 投資家の間では、ルノーと日産が統合しても、逆に連合を解消しても、今の持ち合い株式の価値は高まる可能性があるとの見方が聞かれる。エバーコアISIは2月、ルノーが持つ日産株は40%過小評価されているので、一部を売却すべきだと提言していた。

 また今回の日産の急激な利益の落ち込みと、それに伴う減配によって、シティの予想ではルノーの今年の利益は1億3000万ユーロ下振れしてしまう。

 それでも西川氏は、大幅減益は「旧経営陣の負の遺産」が原因だと説明。スナール氏が提案したようなルノーとの統合に反対する考えを改めて示した上で、進退は自ら決めるべきだと引責辞任を否定した。

拙速は愚策

 とはいえ西川氏が本当に進退を自己決定できるかどうかは、日産の取締役会の情勢次第になる。近く開かれる取締役会は、業績悪化発表後でも西川氏がどれだけ支持を得るかどうかが試される最初の機会だろう。