――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  賢いマネーがあり、愚かなマネーがあり、そして有り余るマネーがある。金融バブルの警戒信号の一つに、バリュエーションを歪めるほど大きな資金力を持つ新参投資家の登場がある。  住宅バブルの際には、リターンを追求する欧州の銀行や保険会社が、サブプライム住宅ローンで裏付けされた一見安全なデリバティブに資金をつぎ込んだ。その約20年前、日本のバブル最盛期には、日本の大企業が海外の名だたる不動産資産を買いあさった。現在では、サウジアラビアのハイテク投資がこれに似た役回りを演じている可能性がある。