日本企業で働くビジネスパーソンを、新興国で社会課題の解決に取り組むNPO等に派遣し、本業で培ったスキルを活用して現地の発展に貢献してもらうと同時に、その過程で留職者自身のリーダーシップを高める「留職プログラム」。NPO法人クロスフィールズが今日まで8年にわたって展開している。その記録データの分析で明らかになった「新しいリーダーシップ開発論」についての全8回連載の第5回をお送りする。本連載の中核となる「調査と分析」を提示する


 私たち、クロスフィールズは、留職者150人に対して、本人による性格評価と、現地での行動についての自己評価の調査を実施した。それぞれのサーベイ(調査)項目は下記の通りである。

 この150件の回答データを、「性格特性」と「行動評価」の傾向における類似性の観点から分類したところ、6つのタイプが浮かび上がってきた。それらを、本連載では、マーケティング用語を使って留職者の「ペルソナ」と表現する。

 6つの「ペルソナ」の名称(クロスフィールズが命名したもの)とその性格の特徴は、下表の通りである[注]

 出現率は、6つの「ペルソナ」に分類できた留職者数の全体数(150件)に対する比率である。

【注】
「ペルソナ」の抽出は、n=150の性格特性サーベイと行動評価サーベイ回答の中から、回答の選び方(特に高い/低いスコアがついている項目に着目)を軸にして行った。まずは初期的な分析を行って仮説を出すことを目的に実施したものであり、学術的な分析手法として確立された方法論に則って行ったものではない。