米グーグルはゲームサービス「STADIA」で19年内の参入を表明。米アマゾンも参入が噂されている。彼らが得意とする「中抜き」ビジネスが、いよいよゲーム専用機でも起ころうとしているわけだ。

 ソニーも手をこまねいていたわけではない。むしろ先駆的ですらあった。14年にクラウドゲーム「PSナウ」を開始。旧作品を毎月定額料金で楽しめるサブスクリプションモデルで、有料会員の年平均増加率は40%超。約70万人まで増えていた。

 ただ、プレステ4をネットワークにつないで楽しむユーザーが9000万人以上もいるのに対し、PSナウの有料会員は二けた少ない。「つまりユーザーに受け入れられてこなかった」(エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリスト)と手厳しい声が一部にある。

 背景にあるのが、通信環境次第では生じてしまうストリーミング(コンテンツをダウンロードしながら同時に再生を行う)のまずさ。動画鑑賞なら気にならない程度のわずかな遅延でも、ゲーム操作ではそのわずかな反応の遅さがユーザー満足度に致命的だ。ソニーは18年からはPSナウにダウンロード機能を加えて対応していた。

 だが高速大容量・低遅延の次世代通信規格「5G」時代になれば話は違ってくる。5Gは19年が元年とされ、クラウドゲームの敵だった通信環境は徐々に改善されていくのは確実な情勢。クラウドゲームに再び商機を見出すのは自然の流れだ。

 そもそもクラウドゲームは「好きなタイトルを好きな時に好きなだけ」楽しめるサービス。ソニーが全社的に進める「リカーリングビジネス」とも相性がいい。

 リカーリングビジネスとは、商品単品の売り切りビジネスではなくて、1つの商品をきっかけに継続的な利益を生み出すビジネスのことだ。ユーザーがコンテンツに逐一課金するクラウドゲームは、リカーリングビジネスの代表格だ。

 その実現には、大容量のデータを蓄積できるデータセンターの存在が欠かせない。ソニーは現在PSナウで活用する社外のデータセンターを「マイクロソフトに置き換えるわけではない」と説明している。

 ただし、「さらなるクラウドゲーム展開に向けて、より強力なデータセンターが欲しかったソニーは、提携で時間を買う」(ゲームメーカー幹部)との見立てが一般的だ。