連日の報道で取引先や株主、従業員やその家族にも動揺が広がっており、「一日も早い解決に向けて、経営体制を一新するのが賢明だと判断した」と杉田社長。創業家出身の2代目トップだった平田恒一郎会長兼CEOと、日暮清副会長は全ての役職を辞任し代表権を返上した。前社長の木暮博雄氏は代表権を返上したが取締役に残った。

 同社は一風変わった社名だが、住宅・建設関連業界では優良企業として通ってきた。1950年に関東で先駆けて住宅用木材の市場取引を始めた後、建築用資材全般を展開し、大手の地位を築いた。その後、建材流通に次ぐ2本目の柱として住宅事業を展開。マンションや戸建て住宅の分譲、管理やリノベーションなど幅広く手掛けるようになる。

 建材流通ではジャパン建材を中核事業会社に持つJKホールディングスが売上高3589億円の最大手で、2位にナイスグループ、3位にジューテックホールディングス(同1598億円)が続く。

 直近の19年3月期決算は売上高2492億円、営業利益14億円、経常利益8億円、最終利益3億円。セグメント別に見ると売上高は建材事業が1714億円、住宅事業が637億円。営業利益は建材事業が28億円、住宅事業が3億円である。

 問題視されている15年3月期では、売上高2357億円、営業利益10億円、経常利益4億円、最終利益4億円。売上高のうち建材事業が1729億円、住宅事業が545億円。営業利益は建材事業が29億円、住宅事業は3300万円にとどまっている。その他の資本や負債、キャッシュフローに特段、怪しげな点は見当たらない。

 ただ、「近年は第3四半期まで赤字、通期で黒字化するパターンを繰り返していた」と複数のアナリストが指摘する。実際、15年3月期から19年3月期まで、第1、第2、第3四半期は営業利益、経常利益、純利益とも赤字で、第4四半期に多額の利益を計上することで通期の営業利益、経常利益、純利益とも黒字を確保している。捜査当局もこの点に着目しているもよう。これに対してナイス側は「住宅、特にマンションは年度末に完成してお客様に引き渡す案件が多く、どうしても計上時期が3月末に集中する。それが第3四半期までと第4四半期の差だ」と説明する。

 しかし住宅開発・販売に関わる企業が皆、そのような決算かというと、首を傾げざるを得ない。ナイスではそうした業績の波を平準化するため、住宅事業の中でも戸建て注文住宅を伸ばす方針だが「まだ道半ばである」(幹部)のだという。