またスナックミーでは、一部賞味期限の近いお菓子を社内販売しているが、商品を廃棄することはほとんどないという。サブスクリプションのおかげで、事前に出荷量を予測できるからだ。

「かさばりやすく、売価も高くない自然素材のお菓子は、これまでECには向いていないといわれてきました。特にSnaq.meは保存料を使わないため、在庫リスクの解決は重要です。賞味期限の近い商品をユーザーに送ることもできますが、それでは満足度が下がってしまいます」

「そんな課題を解決したのがSnaq.meのモデルです。サブスクリプションで(受注数が見えるので)ムダな在庫を抱えず、データを活用することで商品ラインナップを素早く更新し、ユーザーの満足度を保つことができています」(服部氏)

ユーザーの「贅沢な時間」を支えるサービスに

 スナックミーの成長を後押しするもう一つの要因が、ユーザーコミュニティの構築だ。これまで同社はほとんど広告を打っていない。インスタグラムをメインとしたSNS上の口コミによって、知名度を高めてきたのだという。

 ボックスやお菓子のパッケージに、ついつい写真を撮りたくなるようなおしゃれなデザインを採用。SNSへの投稿を促しているほか、ユーザーのSNS投稿や新しいお菓子のラインナップ、OEM先のメーカー紹介などを掲載したオリジナル冊子を同封。年に数回はオフラインイベントも開催し、ユーザー同士がリアルで交流する機会を提供している。

「お菓子を届けるだけではありません。SNSに綺麗な写真を投稿したりして、贅沢な時間を味わってもらうまでがSnaq.meです。その意味で我々の競合は、スターバックスなどの『贅沢な時間』を提供するサービス全般だと捉えています」(服部氏)

「お菓子といえばカルビー・森永・スナックミー」といわれる存在を目指す

 スナックミーでは、今回の調達資金をエンジニアの採用や倉庫設備の拡大に充てる。日本全国のユーザーによりスムーズに価値を届けるための設備強化が短期的な目標だという。

 一方で、長期的な目標は素材を生かしたお菓子ブランドとしての認知向上だ。前述のプロテインバーのほかにも、ジャーキーに特化したブランド「JQ」などを展開しているが、今後もオリジナル製品の開発に注力していく。

「2018年のお菓子の流通市場は小売ベースで約3.3兆円(編集部注:全日本菓子協会の発表では3兆3909億円)。その中でも5000億円ほどが自然素材、健康を意識したお菓子だといわれています。D2C(Direct to Consumer:メーカーが自社のECサイトを通じて直接ユーザーに商品を販売するモデル)だと1つのブランドでどこまでいけるかは課題なので、(プロテインバーやジャーキーなど)複数のオリジナルブランドで人気を獲得し、それを束ねるブランドとしてのスナックミーを認知してほしいと思っています。目指すのは『お菓子といえばカルビー・森永(製菓)・スナックミー』と呼ばれるところです」(服部氏)

スナックミーの服部氏らとベンチャーキャピタルら服部氏(後列右から2人目)、スナックミーCTOの三好隼人氏(後列右から1人目) 取締役COOの三田村健一(前列)と、同社に投資するベンチャーキャピタリストら Photo by Y.I.