ぺんてる株取得は「御法度」と異論噴出、関与する政投銀の姿勢にも疑問Photo:DOL

筆記具大手のぺんてるの株式を文具最大手コクヨが間接的に取得したことで、ファンド業界が騒然としている。というのも、ファンドを介したその取得方法が“御法度”に近いためだ。しかもそのファンドに、政府系金融機関である政策投資銀行が資金を出していることも波紋を広げている。(ダイヤモンド編集部編集委員 田島靖久、ジャーナリスト 滋賀利雅)

ぺんてる株の取得方法に
ファンド業界から異論噴出

「違法ではないかもしれないが、信義に反するし、プロとしてやるべきことではない。ブーイングが出てもおかしくない反則すれすれのプレーで、彼らは業界で二度と仕事ができなくなるのではないか」

 外資系大手のプライベートエクイティ(PE)ファンドの幹部は、このように語った上で次のように続ける。

「しかも事が重大なのは、このファンドに政府系金融機関である政策投資銀行(DBJ)の資金が入っていること。政府に近いファンドがやったというのは、大きな問題に発展する可能性もあり、由々しき事態だ」

 この幹部がこのように指摘するのは、5月10日に文具最大手のコクヨが、「間接的に」筆記具大手ぺんてるの株式37.45%を取得したことだ。これを受けて、経済紙は「業界再編」との見出しで大きく報じた。