企業がパーパス(存在意義)を掲げることは、従業員を鼓舞する原動力となる。そのように言われる機会が増えてきたが、本当にそうなのだろうか。パーパスのような高尚な目標の存在は、鼓舞するどころか冷笑されることすらある。筆者は、企業は明白かつ究極の意義として「利潤追求」を明言すべきだという。


 我々教授陣はロンドン・ビジネススクールでしばしば、パーパス(存在意義)について説明を試みる。その際、インドの地方部で環境問題に取り組む受講生や、南アフリカの黒人居住区で衛生状態の改善に努める受講生の写真を見せるなどしている。

 また、我が校の教授による素晴らしい仕事にも、必ず焦点を当てている。経済学教授イライアス・パパイオアヌによる、モザンビークにおける地雷除去に関する研究や、マーケティング教授ラジェシュ・チャンディによる、発展途上国における起業家精神に関する研究などだ。