かような危険な蜜・美人妻を持つ夫たちが、自分が置かれた状況にどのように立ち向かっていっているのか、他のケースを紹介したい。

妻を人前にさらすことが苦痛
加速する束縛の果て

 Aさん(38歳男性)の妻Bさん(32歳女性)はモデル経験がある美人である。手足はスラッと長く、顔立ちは個性的であり、ちょっとただならぬ雰囲気をまとっている。社交性は人並みだが、若い時分はクラブに踊りに行ったりもしていたからそれなりに「開けた性格」である。

 一方、その夫Aさんは芸術家肌で、職業はレコーディングエンジニアであった。長身で物腰やわらかいが、顔つきに芸術家気質が表れているようで、こちらもただならぬ雰囲気の人物であった。

 Aさんは実際会うと、優しく、ジェントルで、おそらく本人が繊細だからであろう、他人にも細やかな気遣いができる人だったが、Bさんの前では別人格が顔を出すらしかった。

 AさんはBさんに対する束縛が激しく、交際時からそうだったが、結婚後はそれがいよいよ極まった。BさんがGPS機能で居場所を常にAさんに知らせるのは序の口で、帰宅後、Aさんに「いつどこで、誰と何を話して、何をしたか」を報告する義務が課せられた。

 そこに自分以外の男性の気配があるとAさんは狂乱した。

 例えばBさんが友人の結婚パーティーに出席すれば「誰か男と話したか」とAさんが質問する。Bさんが「話していない」と答えてもAさんは「いや、一言くらい話したはずだ」とBさんの言い分を認めず、怒りまくって壁やテーブルを時として泣き叫びながら破壊した。

 Aさんの一連の振る舞いは立派なDVに該当するが、BさんはそんなAさんに苦しめられつつ彼を変わらず愛していたから、2人の関係を共依存と指摘する人もいた。

 やがて、2人はAさんの強い希望もあって、人里離れた山奥に一軒家を買ってそちらに引っ越していった。Aさんは美人な妻を他人の目に極力触れさせたくなかったのである。

 Aさんをよく知るCさん(41歳男性)はこう語った。