「VRゲームの会社を作った最終的な目標は、(小説・アニメの)『ソードアート・オンライン』のような世界観を持ったVR・MMO RPG(多人数が同時参加できるロールプレイングゲーム)を作りたいと思ったから。建物の都合もあってジョイポリスでの営業は終了したが、アミューズメント施設での提供を通して、VRでは複数人で同時にゲームを楽しむ『マルチプレイ』が盛り上がるということが分かった」(新氏)

Facebookが認めた「世界に類を見ない対戦ゲーム」

 2017年3月にはgumiのグループ会社となったよむネコ。エニグマスフィアの次のタイトルとして、プレーヤーがコンピューターと剣で戦う“剣戟ゲーム”を開発していた。そこにマルチプレイ機能を盛り込んだのが、今回リリースした「ソード・オブ・ガルガンチュア」だ。対応するVRヘッドセットはOculus Rift、Oculus RiftS、Oculus Quest、HTC VIVE、Windows Mixed Reality。ゲーム販売プラットフォームのSteamおよびOculus Storeで販売する。価格は1990円。

 新氏によると、「剣で戦う」というゲームは、欧米を中心に人気を集める「銃で戦う」ゲームよりも処理が難しいのだという。銃の場合、コントローラー操作で引き金を引くというアクションをすれば、基本的には弾が直線に飛んでいく。プレーヤーは弾を撃つか、敵の弾を避けるかという処理だけをすればいい。

 だが剣の場合、コントローラーを実際に振って敵に斬りかかる、敵の振り下ろした剣をよけるということに加えて、敵の剣を自分の剣で跳ね返す、といった処理が必要になる。そのため、当初は海外のサーバを介するマルチプレイではゲームの処理が間に合わなくなってしまった。マルチプレイをゲームの「キモ」だと考えていたこともあり、解決法を模索して当初予定よりも半年ほど販売が遅れた。

「Oculus(Facebook)の中の人間にも、『剣で対戦するマルチプレイゲームを作っているメーカーは(開発難度から)世界でもほとんどいない』と言われていた。最終的には二十数名のエンジニアで開発を進めた。VRゲーム専門の開発チームとしては、世界でもかなりの規模になっているのではないか」(新氏)

「VRの本質は何よりも『没入感』。いままで『観る』だったゲームの世界に入っていける体験の価値は大きい。このゲームではリアルな剣戟とマルチプレイ、巨大な敵との対決の3つの要素が没入感を生んでいる。逆に捨てたのは長時間プレイするということ。(剣を振るために)実際にコントローラーを強く振るので、一晩中プレイするというのは無理だろう」(國光氏)