前澤社長が公表したのは、足元の20年3月期の単年度の業績予想だけ。昨年示した中計と比べれば、非常にささやかな内容だ。

 新機軸を打ち出してはいる。複数の国内有名ブランドと共同で、1商品につき20~50サイズを展開するマルチサイズプラットフォーム(MSP)のほか、11年に進出して2年余りで撤退した中国市場への再進出も表明した。

 しかしMSPの20年3月期の売り上げ目標はわずか10億円。中国事業に至っては非公表だ。シティグループ証券の張影秋アナリストは、MSPについて、「カジュアル衣料ではむしろフリーサイズの商品が増えており、細かいサイズ展開の需要が大きいとは思えない」と指摘。中国への再進出についても、「アパレル市場が高級品と格安品に分かれており、ZOZOが日本で得意とするミドルレンジ市場は小さい」とみており、成功は容易ではなさそうだ。

 本業であるECサイトの取扱高は伸び続けている。ただ、顧客獲得の焦りからか、経営指標の悪化が目立つ。

 同社の収入の柱は、アパレルブランドから商品を預かって販売する「受託ショップ」事業だ。四半期別の商品取扱高(流通総額)と売上高(出店者からの手数料収入)の推移を見ていくと、従来は取扱高に対する売上高の比率は、29%台で推移してきた。ところが、有料会員の一定の購入額から10%を割り引く「ZOZOARIGATO」を18年12月25日に開始して以降、売上高比率が5ポイント近くも落ち込んでいるのだ(図2)。