最悪のサービスと非難された巨大企業コムキャストを救ったツイッター・チームのリーダーは、いまや米国で最も有名なカスタマー・ケア担当として知られる。同社CEOは「ツイッターは企業文化を変えた」とまで明言する。しかも、米国のブロードバンドISPや通信キャリア各社は、コムキャストに倣おうと動いている。これを見てもなお、ツイッターはビジネスとは関係ないなどと言う人はいないだろう。

 カスタマー・ケアの手本とも言えるコムキャストは、具体的に何をしているのか、何が評価されているのか。

ソーシャルウェブ上で爆発した
不満の声を見事に解消!

 連載「ソーシャルウェブ革命の衝撃」『デルより悲惨!米CATV大手コムキャストのソーシャルウェブ地獄』で記したように、ケーブルテレビ米国最大手のコムキャストはかつて、ひどい顧客サービスがやり玉にあげられ、顧客満足度は低迷していた。

 コムキャストの顧客の不満は、簡単に言えば、対応の悪い顧客サポートと無責任な技術者のせいだったのだが、信じられないような例が多数報告されていた。そのあげく、「Comcast Must Die.(コムキャストは死ぬしかない)」といったブログが立つなど不満がソーシャルウェブ上で爆発したのである。

 その対応で注目を浴びたのが、ソーシャルウェブをウォッチして、問題を訴える顧客と対話するデジタルケア・チームだった。クレーム対応だけでなく、不満や問題を訴える顧客を探し、率先してアプローチしたのである。これには、怒っていた人たちからも、「大したもの」「感激した」といった評価の声が相次いだ。