バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットが株主に送る年次書簡の内容は、投資家にとって最大の関心ごとの一つである。そしていま、アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスによる書簡も同様の価値を持つ。秘密主義で知られるアマゾンは、どこに向かっているのか。筆者らは、書簡20年分の全テキストを分析することで、ベゾスの事業に対する関心がどのように変化しているのかを読み解いた。


 バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOウォーレン・バフェットが株主に宛てた年次書簡は、ここ数十年、投資家必読の文書である。そしていま、アマゾン・ドット・コムの会長兼CEOジェフ・ベゾスの年次書簡(最新版は2019年4月11日公開)も、同じような受け止められ方をするようになった。

 ウォール街のアナリストたちは(そしてCNBCの投資情報番組司会者ジム・クレイマーも)、この書簡は世界最大のオンライン市場にしてクラウド・コンピューティング企業であるアマゾンの戦略的焦点を知る、絶好の手がかりだと考えている。これまで次々と業界を破壊してきた、秘密主義で知られるベゾスのビジネスがどこに向かっているかを理解するのに、この書簡に勝る目安はないと、多くのアナリストは言う。