団塊の世代が「暴走老人」化
近年クレーマーが増加し、中でもモンスタークレーマーが増えているのはなぜか。背景にはデフレや高齢化の進行、ネットの普及などさまざまな社会の変化がある。
団塊の世代(1947~49年生まれ)が60歳になり、一斉に定年を迎え始めたことに起因する「2007年問題」。労働力人口の減少や退職給付金の負担増などの問題として語られることが多かったが、意外な問題も引き起こしていた。シニアクレーマーの増加だ。
クレーマーになった人の多くは、高学歴で高所得、高い役職に就いていた知識豊富な人たちだ。言いたいことを見つけては企業のお客様相談室に電話をかけ、あたかも「後輩を指導する」かのごとく、冷静に論理的に持論を展開する。過去の自分の役職や知識をひけらかすだけならまだいい方で、「品質管理に関する資料を見せなさい」「私が工場を見て課題を見つけよう」などと無理難題を吹っ掛けて担当者を困らせた。
それから12年たち、70代になった団塊の世代が今、「暴走クレーマー」に化けつつある。