「安心して話して大丈夫」
対話を通じて“無力感”から解放する

――こうしたメンタルの不調を抱えた方たちには、どのように話を聞くことが大切ですか?

cotree徳田勇人
オンラインカウンセリングサービス「cotree(コトリー)」の臨床心理士・徳田勇人さん

 まず前提として、「何を話しても大丈夫だよ」という心理的な安心、安全を感じてもらう環境をつくることです。それによって、安心して何でも話してもらえるようになります。

 特に私たちのサービスを利用される方は、メンタル不調の初期段階で漠然とした悩みを持っているケースが多く、そういう人はまず話を聞いてほしいというニーズがあります。ですから、話を聞きながら「つらかったんですね」と共感し、受容的に関わるようにしています。

 また、先ほど述べたように、相談される方は「自分には能力がない」という無力感、自責感を持っていることが少なくありません。そこで、ご自身の能力と目の前で起きている問題を切り離して、俯瞰して問題を見られるようにしています。つまり、「自分に能力がないからそうした状況に陥っているわけではなく、誰でも状況が変われば大変だ」という点を明確にして、無力感と自責感から解放されるよう意識して声をかけるようにしています。そうした言葉が安心につながり、自信の回復につながります。

 思考を整理できるように、アシストすることも大切です。メンタル不調に陥る方は追い込まれて視野が狭くなるため、自分の考えを整理できなくなりがちです。

 思考を整理していないと話がいろいろと飛びがちなので、「今、複数のお話が出てきていますよね」「取り組まなければならないことがたくさんある状況ですか」というように、『メタ認知』という自分の思考を客観視するための作業を、一緒にすることも大切です。