米国ルーテル教会ミズーリ派によって1953年に創立された。小中高の一貫教育で、生徒の才能を見いだして伸ばす少人数教育に定評がある。同じキリスト教信仰に基づく学校として、2018年に青山学院大学と系属校協定を締結、新たな魅力を加えた。

浦和ルーテル学院小中高等学校
福島宏政校長
浦和ルーテル学院は、キリスト教主義の学校として、神様からの贈り物である一人一人の才能や長所を見いだし、世界に貢献していく人間を育てることを目指している。同学院ではそれを、「ギフト教育」と呼び、「大切なのは、自分に与えられた“ギフト”を生かして、周りの人々や社会を幸せにし、自らも幸せな人生を歩むことです」と福島宏政校長は説明する。
同学院は、“入学後に学力を伸ばしてくれる学校”のランキングで、常に上位に入る学校でもある。その理由は、1クラス20~25人という少人数教育で、生徒一人一人の個性や才能を見極め、その生徒に適した個別指導を丁寧に行っているからだ。
「たとえ本人でも、自らの才能を自覚するのは難しく、保護者にとってもそれは同様です。自分が好きなことと才能が違うこともあります。本校の教員は、学校生活の中で生徒たちをよく観察し、その子の才能を見いだして伸ばしていこうと努力しているのです」(福島校長)
やりたいことを見つけた生徒は一気に伸びていく。その可能性を広げるため、中学校で自分の興味関心を掘り下げる「フィールドプログラム」を採用している。生徒たちは、「アーツ」「イングリッシュ」「サイエンス」の三つから関心のある分野を選択、アクティブラーニング、校外体験学習、資格取得などを行いながら、自分の才能に気付いてゆく。
高校になると、年8回以上の面談を行い、生徒に最適な学部、大学選びを提案。進路が決まると、徹底した個別指導がなされる。少人数のクラスがさらに少人数に分かれ、受験する教科に合わせた授業が行われる。生徒一人一人の“ギフト”は異なるため、必然的に進学先は多彩になる。人文、経済、医学、薬学、看護、理工、芸術、さらには海外大学など、幅広い進路が実現しているのはそのためだ。また、AIU高校生国際プログラムで「高校生外交官」に選ばれるなど、英語国際教育にも定評がある。
推薦入学
希望者の全入を目指す
そうした教育方針を持つ同学院で、今春大きな進化があった。2019年4月から、浦和ルーテル学院小学校・中学校・高等学校が、青山学院大学の系属校となったのだ。
具体的には、19年度に浦和ルーテル学院に入学した小学1年生は12年後の卒業の際、基準を満たせば、同大学に優先的に入学できる枠が与えられることになった。福島校長は卒業生の全入を目指すという。またそれまでの間は、経過措置として進学基準を満たす生徒は同大学に優先的に入学できる系属校推薦の一定枠が与えられている。
「系属校となる協定は、共にキリスト教信仰に基づく学校として、互いの建学の精神を尊重し、さらなる発展を期して締結されたもの。今後は、高大連携などの可能性にも期待しながら、より豊かな“ギフト教育”を進めていきたいと考えています」

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