“課題探究”で答えのない課題に挑戦、
志を持って突き進む人材を育成する

足立学園中学校・高等学校

今年創立90周年を迎えた足立学園では、昨年度から新校長の下、難関大を目指す「探究コース」を加えた新コース制を導入して授業改革を実行、独自の探究学習で論理的な思考力や自主性を育てている。来年度からは新たに「志(こころざし)入試」を導入する予定だ。

足立学園 中学校・高等学校
井上 実校長

 授業改革が進む足立学園で、昨年度新設された「探究コース」。ここで“課題探究”というユニークな授業が行われている。その一例がエッグドロップと呼ばれるもの。

 用意するのはA4の紙4枚と生卵。その4枚の紙を工夫して卵を保護し、校舎の3階から落としても割れないことを競うという取り組みだ。生徒たちは班に分かれ、知恵を出し合いながら、衝撃の吸収方法を考案する。教員は聞かれたらアドバイスをするだけ。各班はトライアル&エラーを繰り返しながら、本番の“最終実験日”に備える。ある班はバランスの良い完璧な落下傘を作り、ある班は紙を独自の方法で丸めて卵を保護、またある班は紙を円筒形にしてタコ足のような着地装置を作成し、見事に難題をクリアしたという。

 「今の時代、教育が“転ばぬ先の杖”になっています。親も教員も子どもが失敗しないよう、傷つかないように丁寧に育てようとする。でもそれでは生徒は育たない。むしろ転ばせて考えさせた方が伸びるのです。なぜ失敗したのかを深く考えることで、立ち直って課題をクリアできる人間になる。エッグドロップはその予行演習なのです」(井上実校長)。当初は戸惑い気味だった生徒たちも、“課題探究”の取り組みを通じて、答えのない課題に対して、論理的にしっかり考える手段を身に付け、自主性を発揮するようになった。彼らは、希望制のカナダ特別留学プログラムにも積極的に参加。帰国後は学年のリーダー的な存在になりつつあるという。

2020年度から
「志入試」を導入

 今年度からは探究活動の一環として、“「志」探究”という取り組みを、全生徒を対象にスタートする。自分はどうありたいのか、何を成し遂げたいのか、を探究する一種のキャリア教育で、松下政経塾などを訪問して「志探究プログラム」に参加する。講習で先人たちの「志」に関する教えを学び、その後、等身大の「志」をみんなの前で発表する。自分について深く考えるきっかけとなり、人生の進路を決める手掛かりとなる。

 「私はいつも生徒に“夢なき者に成功なし”と言います。ここでいう夢とは、自分本位の幸せではなく、世のため人のために達成できること。その夢のために自分の人生を使い切る覚悟を持つことが“志”で、その達成のために自分を磨いてほしいのです」(井上校長)

 同校では来年度から、第1志望者が集まる2月1日に「志入試」を導入する。あらかじめ「志」のエントリーシートを提出、基礎学力を見る算数・国語の試験の後、そのシートを基に親子面接を実施する。面接を行う理由は、親と学校の教育観を一致させ、迷いのない“共育”環境をつくりたいと考えるからだ。今年90周年を迎えた足立学園、「質実剛健 有為敢闘」という建学の精神にのっとり、志を持って突き進む人材の育成に取り組んでいる。

「志探究プログラム」で高校生(希望者)が、松下政経塾(神奈川県茅ケ崎市)を見学し、自分自身の「志」について考え、整理し、発表した。松下政経塾訪問は、今年度から全員参加となる
足立学園中学校・高等学校
https://www.adachigakuen-jh.ed.jp/
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