――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ***  ドナルド・トランプ米大統領の先週末にかけてのイラン政策は、場当たり的であり、巧みでもあった。トランプ政権の戦争への傾斜を目にしたハト派と孤立主義者らは一時パニックに陥ったが、その後、軍事攻撃が取り消されたとの発表に歓喜した。一方でタカ派はオバマ前政権風の譲歩だとしてトランプ氏を批判したが、イランへのサイバー攻撃や制裁強化の公表がその怒りを静めるのに役立った。  その結果は何か。トランプ氏は米国のイラン政策における支配力をさらに強化した。