多くの企業が研修や人材開発プログラムに力を入れているが、その投資は本当に価値あるものだろうか。あるリサーチでは、調査対象者の3分の2が、研修が仕事の改善につながっていないと答えている。人材開発の効果を高めるには、行動経済学の「ナッジ理論」が有効だという。学習量をむやみに増やすことをやめて、学びの質を高めるために効果的な4つのポイントを示す。


 2018年に米国の企業が研修や人材開発に費やした金額は約900億ドル。これは、世界130ヵ国の国内総生産(GDP)を上回る数字だ。

 米国の平均的な会社員は、1人当たり1000ドル相当の研修を受けた計算になる。それだけ聞くと、それほどたいしたことではないと思うかもしれないが、5万人以上の社員がいる会社では、年間5000万ドル近くの出費となる。