「気づきの教育」で
子どもたちの無限の可能性を引き出す

淑徳巣鴨中学校・高等学校

2019年に創立100周年を迎えた淑徳巣鴨。社会事業の先覚者で浄土宗の僧侶でもあった学祖・長谷川良信(りょうしん)が残し、継承されてきたのは「感恩(かんのん)奉仕」という校訓。加えて今は「気づきの教育」をさまざまに実践し、無限の可能性に挑戦する強い意志と豊かな知性を育んでいる。

淑徳巣鴨中学校・ 高等学校
夘木(うのき)幸男校長

 変化が激しく、先行きが不透明な時代だけに、中高時代に自分の好きなもの、得意なものを見つけ出し、それを手掛かりに人生を生きていくことが、今後ますます必要になります。子どもたちが持っている可能性は無限です。本校には、その無限の可能性を引き出すための“気づき”のきっかけがたくさんあります」

 そう語るのは、夘木幸男校長だ。気づきのきっかけとは、例えば、探究する楽しさを見いだし、新たな課題に挑戦し、創造力を養う主体的な学びのこと。

 中学では、自己と向き合う「自分史ワーク(中1)」や、他者との関わりを広げる「ムービーワーク(中2)」、そして社会に通じる多面的思考を養う「卒業論文(中3)」がある。高校では課題設定からプレゼンまでを一貫して行う「課題研究」に取り組む。4人程度で班をつくってテーマを設定、仮説、検証、考察を行って結論を導き出し、HRで発表。テーマは「ミルククラウンの原理」「職業のAI化、『変なホテルから考える』」等々。発表後にクラスメートからのレスポンスがあるのが特徴で、それも貴重な気づきになる。

「自分は何を不思議に思うか、が出発点。違う考え方に出合いながら、疑問を発展させる方法は、他の教科の学び方にもつながってきます」と夘木校長は言う。

※「HR」……ホームルーム

「感恩奉仕」の校訓が
生徒たちに深く浸透

 一方、世界の人々との交流を体験し、世界で活躍するための素養を身に付けるグローバル教育も、気づきの一つになる。アメリカ修学旅行(中3)ではシアトルのボーイング社を訪ねた。現地の工場で製造過程を見学し、同社に旅客機の製造を発注しているJALの担当者の講演を聞いた。その際ボーイング社の顧客としてJALがどのような注文を出し、ボーイング社はそれにどう応えているのかを考えることも「気づき」のきっかけとなる。

「最新型旅客機における安全性や経済性、さらにグローバル企業の働き方を目の当たりにして、さまざまな視点を得ることができました。現地でのホームステイでは自分自身を英語で表現しなければ、何も始まらないことにも気づくのです」(夘木校長)

 校訓は「感恩奉仕」。感恩とは、今日の自分が多くの恩を受けて生かされていることに感謝すること。奉仕とは、他の恩恵によって今日がある自分を他のために役立てることだ。

「校内を歩いていると、登下校する生徒たちの積極的な挨拶、生徒同士で交わす“ありがとう”という言葉が、自然に耳に入ってきます。部活動や委員会活動など多様な場面で、人間の弱さを知り、相手の心の支えになる。そんな生徒たちの言動を見るとき、感恩奉仕の校訓が校内に深く浸透していると感じます」と語る夘木校長。時代を超えて継承される心の教育と気づきの教育が両輪となって、子どもたちの成長をバランスよく促している。

米国・シアトルを訪れた今年度の中3修学旅行の様子。グローバル企業を訪問したり、現地でのホームステイを体験するなど世界の人々と交流したくさんの「気づき」を得た
淑徳巣鴨中学校・高等学校
https://www.shukusu.ed.jp/
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