時代に流されずに教育の本質を追求
自然体で穏やかな校風が持ち味

高輪中学校・高等学校

赤穂四十七士が眠る泉岳寺に隣接する高輪中学校・高等学校は、時流を追わず、人間性の育成を中心とする自然体の教育方針が特徴だ。体験学習や留学制度なども、人生の選択肢を見つけるための取り組み。得意・不得意がある生徒たちの才能や個性を見つけ出し、ゆっくり育てる懐の深い学校だ。

高輪中学校・ 高等学校
真壁 亨入試広報部長

「世の中がいくら変わろうとも、中高時代に身に付けることは変わりません。まず人の話をしっかり聞き、それを理解して、自分が何をすべきかを判断し、行動することができれば、十年後だけでなく、二十年後、三十年後でも自分の力で進んでいけると考えています」 

 そう語るのは、入試広報部長の真壁亨教諭だ。

 校訓は「自主堅正」。自分の意志で自分を戒め正し、厳しい現実の困難を乗り越え、絶えず人格向上に努力しようとする自律自浄の精神の育成を目指す。

 創立は1885年と古く、校舎は名刹・泉岳寺に隣接する。都心にありながら緑が多い風景は、時代に流されない、自然体で穏やかな校風に似合っている。

 教育目標は「人を育てる指導」と「大学へ進学させるための指導」。伝統ある進学校として受験期のサポートは手厚いが、特に中1・中2は基礎学力の習得と“人の話を聞ける”人間性の育成に力を入れる。

「英数国など主要な教科は厳しく指導していますが、生徒には得意・不得意があり、例えば英語が不得意な生徒もいる。そんな生徒でも、才能を生かせる教科や分野は必ずあります。いろいろな個性を持った生徒が、さまざまな方法で生きていくすべを身に付ける。高輪は、そんな教育の多様性を大切にしています」(真壁教諭)

JR高輪ゲートウェイ駅の
開業で通学アクセスが向上

「智力の探究」を行うため、生徒たちには年間を通じて、多様な宿泊・体験学習を用意している。中1は長野県上高地・諏訪での自然体験学習、中2は福島県会津・喜多方での農工芸体験学習、中3は西日本探訪として沖縄へ行くことが多く、平和学習や離島での民泊体験を行う。努力や達成感、仲間との絆を通じて、豊かな人間性を育むのが狙いだ。

 またグローバル規模では、中3・高1の英国でのサマースクールや、中3の米国でのサンタクルーズ・ホームステイ、高2のオーストラリア海外学校交流(5泊6日、全員参加)に加え、今年度から長期の留学制度がスタートする。サンタクルーズのモントレーベイ・アカデミーへの8カ月留学で、高1・高2の生徒8人が夏から参加する。

 同校は、専任教員の割合が約8割と高いのが特徴で、一人一人の生徒への目配りが行き届いている。毎年、約4割の現役生が国公立大や難関私大へ進学。部活動も盛んで、高1の加入率は毎年8割を超える。下級生が上級生を“兄貴”と慕う温かい風土があり、卒業生が学校を訪れる頻度も高い。2020年度入試からウェブ出願になり、春にはJR高輪ゲートウェイ駅が暫定開業予定で、通学のアクセスは向上する。

 今流行(はや)りのタブレットの導入などはないが、教育の本質は外さない。「学校は人生の選択肢を見つける場でありたい」(真壁教諭)という姿勢で、生徒たちの成長を見守る。

生徒たちは多様な宿泊・体験学習を通して「智力の探究」を行う。写真は中1の自然体験学習の飯ごう炊さんで、カレーライスを作ったところ
高輪中学校・高等学校
https://www.takanawa.ed.jp/
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