ベースが崩れているときに負荷をかけるのは危険

――順番ですか?

はい。そもそもの前提として、私たちの体は、日常で使ったとおりの形になっていきます。
パソコンをのぞく時間が長ければ猫背になっていきますし、足を組む時間が長ければ左右のバランスは崩れていきます。
では、バランスが崩れたら生きていけないかと言えばそんなことはありません。それでも生活できるように、悪いところをカバーする機能があるんです。

――カバー機能が優秀なんですね。

そのとおりです。
しかし、優秀すぎるあまり、大きな症状が出ない限りなかなか気づけません。
体が受けているダメージは、肩こりや腰痛などのさまざまな不調、見た目の変化としてあらわれてきているのですが、ちょっと肩こりや腰痛があったところで「まぁこんなものだろう」と放置してしまいますよね。
本来、痛みなどの不調は「体の危険信号」で、根本の原因を治さないといけないのですが、正しくケアできている人はほとんどいないんです。
そして冒頭の話に戻りますが、体の危険信号が出ている状態で激しい運動をしたら、どうなるでしょうか?

――負荷がかかってしまいそうですね…。

そうなんです。
そもそも体のベースが崩れているときに筋トレや走り込みなどで体に負荷をかければ、ダメージはさらに蓄積していきます。
そして、いよいよ負荷に耐えきれなくなったとき、突然「ボン!」と爆発してしまうのです。

――どうしてそういう人が増えているのでしょう?

最近の肉体改造ブームも手伝って、「体は鍛えれば鍛えるほどいい」と考えている人が多いのがその一つだと思います。
たしかにトレーニングはハードなほど「体にいいこと」をしている感じがしますし、筋肉がつくのは成果が見えやすいので熱が入りやすいんです。
ただ、繰り返すように体がゆがんだ状態で筋肉をつけた場合、ゆがみがさらに強化されて、体はむしろカチコチになり、疲労が体内にどんどん蓄積されていきます。健康にとっては逆効果なことも少なくありません。