たとえ的を射た指摘であっても、批判を受けるのは気持ちいいことではない。筆者らの調査によると、どんな言葉で批判されたかという表現の問題ではなく、批判されること自体に人は苦しさを覚えることがわかった。そうした不安や恐怖から立ち直るために、レジリエンスを高める4つの方法を示す。


 私たちのほとんどは、「フィードスマック(feedsmacked)」を経験したことがあるだろう。ミーティング中や、何気なく廊下を歩いているとき、あるいは勤務評価の最中に、思いがけず厳しいフィードバックを食らって、心の底から衝撃を受ける経験だ。

 そこで筆者の研究チームは、オンライン調査で「人生で最悪のフィードスマック経験」を募集し、445件の事例を集めた。

 なかには、たしかに強烈なことを言われた人もいた。「辞めたらどうだ。私が必要としているのは意気地なしでなく戦士だ」「君は自分が正しくありたいばかりに、周囲を操っている。人のことなんて考えていない」などである。

 一方、そこまで辛辣ではないが、依然としてきついこと言われた人もいた。「あなたがキレると、みんな見下されている気がする」「君のメールをなんとかしろ。回りくどいことを言わずに、事実だけ書いてくれ」などだ。

 多くの回答者は、大昔にもらったコメントに、いまも苦しんでいた。筆者も同じような経験があるから、その気持ちはよくわかる。あるメールへの対処法を気に入らなかった同僚から、「クソバカ野郎」と言われ、おまえなんか破滅させてやると言われたときのことを思い出すと、いまでも胸が苦しくなり、恐怖がよみがえる。

 こうした辛辣な言葉を投げかけられた人は、もっと穏やかな表現で批判された人よりも深く傷つくに違いないと、筆者は直感的に思っていた。だが、驚いたことに、表現の厳しさにかかわらず、相手のフィードバックに圧倒され、動揺するレベルは変わらないことが、今回の調査でわかった。

 また、批判的なことを言われても、相手に食ってかかった人がほとんどいなかったことも驚きだった。

 きついことを言われた直後の感情として、90%近くが「あぜんとした」「あきれた」「ショックだった」「愕然とした」「頭が真っ白になった」と答え、40%が「恥」関連の感情を持ったと答えた。「面目がなかった」「自分が無価値だと思った」「傷ついた」「悲しかった」「自信を失った」などである。一方、「怒り」「裏切り」「暴力」など、感情の矛先が相手に向かった人は15%しかいなかった。

 なぜ、穏やかな表現の批判でも、攻撃的なコメントと同じくらい大きな苦悩をもたらすのか。