つまずきをなくす教育を実践、
「むしろ失敗を重ねながら成長してほしい」

成立学園中学・高等学校

多様化する社会に対応するため、体験学習の「アース・プロジェクト」や「ナショジオ学習」を通して “見えない学力”の育成に力を入れている成立学園。特に中学校では初年度教育に力を入れ、 生徒に寄り添った“つまずきのない”教育を実践している。

成立学園中学・高等学校
福田英二校長

 成立学園が大切にしているのは、「見える学力」と「見えない学力」を有機的に結び付けることだ。「見える学力」とは、知識習得型の学びで、テストの成績や大学への進学という具体的な結果として表れる。「見えない学力」とは、好奇心に基づく自己探究型の学習によって身に付くもので、幅広い教養と問題解決能力、発信力がベースとなる。

 「これからの時代、『見える学力』と『見えない学力』の両輪が不可欠です。そのために必要となるのが好奇心。生徒たちには、好奇心に従ってさまざまな体験をし、その中から自分なりの関心ごとを見つけ、むしろ失敗を重ねながら成長してもらいたい」

 そう語るのは、就任2年目を迎える福田英二校長だ。

中学の「数学B」は男女別のクラスで実施

 「見える学力」を身に付けるため、成立学園では初年度教育に力を入れている。学習意欲はあるけれど、思うような成果が出ない。そんな生徒のために、ノートの取り方から指導する“成立メソッド”がある。短期・中期・長期の三つの繰り返しサイクルで学習習慣の定着を図り、オリジナル手帳に“ToDo”や成果を書き込むことで自学自習を確立する。

 「今年度から、習熟度別授業に加えて、中1の数学B(図形)の授業だけ、男女別のクラスで行うことにしました。男女の発達段階の違いを踏まえたもので、初年度からの“つまずき”をなくすための試みです。本校では先取り学習はせず、中学時代は基礎をしっかりと学ばせたい。無駄のない教育で、『見える学力』を着実に身に付けさせるのが狙いです」(福田校長)

各教科と有機的に結び付く体験学習

田植え・稲刈り・脱穀を体験する「水田学習」は、アース・プロジェクトの一環

 一方で「見えない学力」のために、成立学園ではユニークな体験型の学びを実践している。その一つが「アース・プロジェクト」。農作業体験から「食」を知る“水田学習”に始まり、自然の奥深さを知る“チャレンジキャンプ”、生態系に触れる“海のフィールドワーク”、屋久島や種子島宇宙センターを訪れる“アース・ツアー”などのプログラムが組まれている。体験学習や校外フィールドワークを通じて、真の教養や自己表現力を培ってゆく。

入学後の「コミュニケーションキャンプ」には中2も参加、縦のつながりが生まれる
富士山登山の「チャレンジキャンプ」では、洞窟・樹海探検などを行う

 

“ナショジオ発表会”では、グループを組んでプレゼンテーションを行う

 もう一つが、世界的な月刊誌「ナショナル ジオグラフィック」を利用した“ナショジオ学習”だ。同校は日本で唯一のナショナル ジオグラフィック教育実験校であり、生徒たちは、「ナショジオ」に掲載される、世界の自然・動物・歴史・文化・科学などの記事を、中高5年間にわたって読み続け、調査や分析を行ってレポートを作成、発表やプレゼンを行う。

 これらの体験学習を通して、生徒たちは自分自身の好奇心に目覚め、それが進路につながってゆくケースも多い。ここで養われる「見えない学力」は、各教科の学習とも深く結び付いており、「見える学力」へのモチベーションを上げる役割も担っている。

“成立ファミリー”と呼ばれる家族的な校風習

 全国大会への出場が多い野球部やサッカー部など、スポーツ強豪校としても知られる成立学園だが、部活動も「見えない学力」を伸ばす力となる。入学後に学力を「伸ばす」指導でも評価が高いのは、この“二つの学力”をあらゆる場面で育成しているからだ。

華やかな「成立祭(文化祭)」を通して、成長する生徒たちも多い

 教師と生徒、先輩と後輩の距離が近いため“成立ファミリー”と呼ばれることもある。入学後に行われる「コミュニケーションキャンプ」には、中2も参加し、学年・クラスといった横のつながりだけでなく、先輩・後輩という縦のつながりも生み出す。福田校長は毎朝校門に立ち、生徒とのコミュニケーションを欠かさない。今春中学10期生を迎え入れた成立学園は、そんな家族的な校風の中で、充実した6年間を提供している。

自然に対してより考えを深めることができる“アース・プロジェクト”

中学3年 稲葉天乃

 アース・プロジェクトで一番印象に残っているのは「水田学習」です。田植えから稲刈りまで、機械ではなく手作業で行ったため、あまり触れ合うことのない自然に向き合えたことが、良い経験になりました。プロジェクトに参加する前は、何も考えずにご飯を食べていましたが、この水田学習を通して、お米が食べられるのは、たくさんの人々の手間や苦労がかかっていること、そして米作りに適した自然があるからなのだと実感できました。アース・プロジェクトは、教室で座って学ぶ授業と違い、体を実際に動かして学ぶことができるため、自然に対してより考えを深めることができます。

 

“ナショジオ学習”で物事をいろいろな方向から考えられるようになった

中学3年 林 空都

 “ナショジオ”のことは成立学園に入るまで知りませんでしたが、入学後に“ナショジオ”を読むようになり、毎月読むのが楽しみになりました。今まで知り得なかった世界の様子を知ることができるためです。“ナショジオ学習”では、グループでテーマを決めて発表しますが、僕は小学生の頃から地球の環境問題に興味があったので、「プラスチックゴミ」をテーマに設定、聞き手に分かりやすく伝わるように意識して、スライドの作成などを行いました。“ナショジオ学習”で培われたのは、物事をいろいろな方向から考えられるようになったこと。また、自分が興味を持つことについて、造詣を深めることもできます。

 

成立学園中学・高等学校
https://www.seiritsu.ac.jp/
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