「男子教育ならば任せてほしい」
強く正しく大らかな“男子力”を育てる

日本大学豊山中学校・豊山高等学校

日本大学付属校唯一の男子校として、長い歴史を持つ日大豊山。東京の名刹・護国寺に隣接し、 2015年には新校舎も完成した。日本大学への進学率が高いが、国公立大へチャレンジする生徒も応援する。 文武両道を実現しながら、独自の“男子力”を育成している。

日本大学豊山中学校・豊山高等学校
松井 靖校長

 ルーツは真言宗豊山派にある。1903(明治36)年に旧制豊山中学校が創立され、54(昭和29)年に日本大学の付属校となった。現在、日本大学付属校は全国に26校存在するが、大学本部直属の付属校は4校だけ。日大豊山はその1校で、全付属校の中で、唯一の男子校である。

 「もともと僧侶の教育機関で、男子校の伝統が受け継がれてきた学校です。教師は皆、男子を育てるプロだと自負しています。男子校の良いところは、生徒が強さや弱さをさらけ出し、本音で学び合える環境があること。一言で言えば、生徒たちを“叱(しか)りやすく、褒めやすい”。共学校であれば気を使う場面でも、男子校ならば気兼ねなく指導できます」

 そう語るのは、自らも日大豊山の卒業生である松井靖校長だ。

 

さまざまな夢や希望をかなえる選択肢がある

多彩な個性を持つ生徒が集まり、ぶつかり助け合いながら、仲間との絆をつくる

 日大豊山の特徴は、他の付属校と比べて日大への進学率が高いこと。毎年約8割が推薦で進学する。推薦方法には、基礎学力到達度テストの成績で選抜される“基礎学力選抜”と、高校3年間の校内成績が基準となる“付属特別選抜”がある。志望学部によっては、推薦を有したまま国公立大学にチャレンジできる“国公立併願方式”もある。

 日本大学の優位性は、16学部87学科や短期大学部を有する総合大学であることだ。法学部、文理学部、経済学部をはじめ、理工学部、医学部、歯学部、薬学部、さらに芸術学部やスポーツ科学部など、生徒たちの多彩な夢や希望をかなえる選択肢が数多くある。

付属ならではの強みで、日大の講義や雰囲気を在学中に体験することができる。写真は日大松戸歯学部 (右)、日大文理学部(左)を訪問したときの様子

 「本校では、二十数年前から中高大連携教育を開始し、早い時期から大学進学や将来の進路について意識を高めています。法学部、経済学部、生産工学部と連携教育の協定を結んでおり、大学の講義や雰囲気を在学中に体験することが可能。高2、高3年次に大学のキャンパスで必修科目を履修すれば、入学前に単位の先取りもできます」と松井校長は語る。

 こうした環境の中で将来の選択肢が具体的に視野に入っているため、生徒たちは中高6年間、文武両道で焦らずじっくり自らの可能性に挑戦し、仲間との人間関係を構築していけるのだ。

文武両道で多彩な個性を持つ生徒が集う

日大豊山の教育の特徴は、学習のPDCAサイクルを構築していること。日々の学習を大切にする

 教育の特徴は、学習のPDCAサイクルを構築していること。主要科目では習熟度授業やチームティーチング(1クラスを2人以上の教員で教える)が実施され、MAP(朝の小テスト)で授業内容を確認するなど、毎日の積み重ねを大切にする。タブレットで学習記録などの自己管理を行い、自習室ではチューター制度のフォローがある。

 世界の文化を学ぶため、高校の修学旅行は海外。中2~高2の希望者を対象としたカナダへの語学研修ホームステイ(17日間)や、英国ケンブリッジ大学で実施される全付属高校を対象にしたケンブリッジ研修(春・夏)などのプログラムが用意されている。

 2015年に、地上11階、地下2階のモダンな新校舎が完成した。4万冊以上の蔵書を持つ図書館や、3層吹き抜けのアリーナ、高層階の25メートル×10コースの温水プール、人工芝の校庭などを備え、都心にありながら学びの環境は十分に整っている。

※「PDCAサイクル」……Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階を繰り返すこと
体育大会で一番の盛り上がりを見せる日大豊山名物「部活対抗リレー」(高等学校)

 オリンピック代表候補選手を輩出する水泳部など、スポーツでも名を馳(は)せる同校だが、文武両道がその基本。野球部レギュラーで難関大現役合格を果たす生徒や、水泳部出身で、今は米国の大学のフライト教官をするOBなど、多彩な個性を持つ男子が集う学校でもある。

都心の一等地、東京・護国寺にある地上11階・地下2階の新校舎

 皆勤賞の表彰式では、毎日のお弁当作りなどで通学を支えてくれた保護者も表彰するなど、保護者との結び付きが強いのも同校の特徴だ。適切な距離感で、親離れ子離れができる環境がある。

 「本校が目指しているのは、強い人間でありながら、他人を思いやり、さまざまな意見を受け入れる“男子力”を身に付けること。本校の生徒は、校訓である“強く正しく大らかに”を体現し、大学進学後もリーダーシップを発揮する子が多い。男子教育ならば、安心して任せてほしいというのが、われわれ全教員の思いです」(松井校長)

日大豊山が目指す“男子力”とは?

調理も片付けも自分たちで

 日大豊山が掲げる“男子力”とは、いわゆる体力的な力強さだけではない。スポーツにさまざまな種目があるように、男子力にもいろいろな種類がある。「共学校では合宿のときなど、教員が男女の役割を自然に振ってしまいますが、本校では、机運びなどの力仕事から掃除や食器の片付けまで、全て男子の仕事。ある意味で、共学校よりもジェンダーフリー。男女は対等で、お互いを尊重すべき存在であることを自然に学んでいきます」と松井校長。

 夏休みの宿題で全校生徒に“男子力”とは何か?という質問を投げ掛けたところ、決断力・包容力・忍耐力、などの言葉が上位にランクインした。「印象的だったのは"遊び心"という回答があったこと。心のゆとりを持つのも男子力の一つ。生徒それぞれが“男子力”とは何かを考え、それを身に付けてほしいと考えています」(松井校長)。

 

日本大学豊山中学校・豊山高等学校
http://www.buzan.hs.nihon-u.ac.jp/
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