男女共学化の2年目がスタート 
「伝統」と「革新」の確かな調和を目指す

八雲学園中学校高等学校

2018年に創立80周年を迎えた八雲学園。昨年、18年度から男女共学化がスタートし、伝統校に新たな活気が生まれている。“英語の八雲”と呼ばれる同校は、米国に海外研修センターを持つなど、独自のカリキュラムで英語教育に力を入れているのが特徴だ。

八雲学園中学校高等学校
近藤彰郎理事長・校長

 共学化のスタートに当たって、実は不安もあったという。「いったいどのくらいの男子生徒が入学してくれるのだろう? 学園はどのように変化するのだろうか、と。結果的に36人の男子生徒が入学し、学園内は今、男子生徒が生み出す健全な活気にあふれ、女子校として培われた伝統の良さも継承しながら、とてもいい形で共学化が浸透しています。心配は必要ありませんでした」。近藤彰郎理事長・校長は初年度の手応えをそう語る。

 今年度は新1年生として男子が59人入学、学年の男子比率が約4割に達した。

 近藤理事長の言う“女子校として培われた伝統”とは、人への思いやりや気配りを大切にしながら、一人一人の状況を考えて手を差し伸べる、という教育である。

 「一昔前の男子校では、谷底に突き落としてはい上がってきた者だけを救う、というような教育が主流でした。現代ではそんな教育は通用しません。男女が協働する時代であり、お互いを尊重し協力し合うためにも、人の気持ちを理解する教育が必要なのです」(近藤理事長)

共学化がスタートして2年目。昨年度の男子入学者36人から今年度は59人へと増加。共学化にますます拍車が掛かる

「学校が楽しい」という生徒たちの圧倒的な声

 八雲学園では、月に1回“感動を生み出す行事”が開催されている。歓送迎会に始まり、上級生との焼き肉パーティー、サッカー大会や英語を暗唱して発表するレシテーションコンテスト、合唱コンクールや朗読劇(英語劇)などで、男子生徒たちもそれらの行事で大いに活躍した。

 共学化による想定外の効果は、女子生徒たちが新たなリーダーシップを発揮するようになったことだった。「従来の女子校の中でもリーダーになる生徒はいましたが、男子に対しても毅然として注意を与えるなど、新たな面が芽生えたのです。全体的に女子も意見を活発に言えるようになってきた。それも共学化の良い効果だと思っています」(近藤理事長)。

英語を話すことを目的とした各種の行事を通年で開催。卒業生たちは社会に出てから「英語の八雲」の本領を発揮する

 1年生が学校になじんできた10月に行われた外部アンケートでは、「学校が楽しい」と答える生徒が87%にも達した。楽しい理由としては「良い友達ができた」「いろんな行事や機会がある」「授業が面白い」「良い先生が多い」という項目が目立つ。またアンケートからは、英語教育に期待していることも明らかになった。同校を志望した理由として、「英語・グローバル教育が充実している」と答えた生徒が多かったのだ。

米国サンタバーバラに海外研修センターを所有

米国・西海岸有数のリゾート地サンタバーバラにある八雲学園の海外研修センター「八雲レジデンス」

 八雲学園は“英語の八雲”といわれるように、独自の英語教育を実践している。目指す英語レベルは、卒業までに「CEFR(セファール)」のC1レベルまで到達することだ。CEFRとは、言語の枠や国境を越えて、異なる試験を相互に比較できる外国語能力の参考基準のこと。C1レベルは日本の英検1級に相当し、“熟達した言語使用者”になる。

 そのために実施されているのが、ユニークな海外研修だ。八雲学園は1994年から米国カリフォルニア州サンタバーバラに海外研修センター「八雲レジデンス」を所有している。中学3年次には全員が2週間そこに滞在し、UCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)で英語の授業を行い、姉妹校のケイトスクールや現地の小学校と交流する。英語と異文化を本格的に体験することで、生徒たちの英語への意識はワンランク上がる。

 また高校1年の希望者を対象に、3カ月間の米国留学と事前学習・事後学習を合わせた9カ月間のプログラムを用意している。留学中はUCSBで細分化された英語の授業を約270時間受講する。ここで生徒たちは、CEFRのB1,B2レベルに到達するという。

全国レベルで活躍の空手道部・バスケットボール部

 さらに2017年度からは、世界50カ国の私立学校約180校が所属する国際私立学校連盟の「ラウンドスクエア」に加盟、交流のネットワークは世界中に広がっている。“八雲の英語”に触れた生徒たちは、大学卒業後の就職活動で実力を発揮、中高時代に培われた英語力をベースに、幅広く世界に飛び出してゆくケースが多いという。

全国レベルで活躍する部活動も盛ん。特に空手道部は団体で全国連覇、バスケットボール部は日本代表候補選手を出すほどの強豪だ

 八雲学園はまた、全国レベルで活躍する部活動でも有名だ。空手道部は団体形で全国大会を連覇(09/10年)。バスケットボール部はインターハイ7年連続出場中で、関東大会優勝(18年)の強豪チーム、日本代表候補選手も輩出している。

 近藤理事長はこう締めくくる。「“伝統”と“革新”を調和させ、次世代のグローバルリーダーを育てることが本校の目標です。多様な価値観があふれる現代、女子校の伝統を持つ共学校という環境の中で、男子も女子も伸び伸びと学校生活を楽しんでいます」。

「ラウンドスクエア」加盟校からの留学生も受け入れる

「ラウンドスクエア」に加盟した直後の2017年春には、ケニアの加盟校の生徒たちが八雲学園を訪問。18年はオーストラリア、ヨルダン、米国のラウン ドスクエア校から留学生を迎えるなど、具体的な交流が始まっている。生徒の中には"ラウンドスクエア国際会議"に出席し、 それまで知らなかった多様な価値観に触れる者もいる。

「ラウンドスクエアに参加する意義は、英語ネイティブではない国々と交流ができること。生徒たちは、英語は世界の共通言語で、あくまでもコミュニケーションのツールであることを体験します。それが一番のメリットだと考えています」(近藤理事長)

 

八雲学園中学校高等学校
http://www.yakumo.ac.jp/
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