参院選に向けた野党の公約が「政治屋」の域を出ないワケ参院選に向けた野党の公約を概観すると、合理性に欠ける主張が多いと言わざるを得ない(写真はイメージです) Photo:Diamond

 7月4日に参院選が公示されました。21日の投開票日まで熱い選挙活動が展開されると思いますが、焦点は野党がどこまで善戦して議席数を増やすか(与党の議席数を減らせるか)に尽きると思います。そこで今回は、野党の公約がどこまで政策として正しく、有権者の心を捉えた内容になっているかを、経済政策を題材に概観してみたいと思います。

野党が主張する経済政策は
働く人の懐を温めることを重視

 まず、野党の経済政策に関する公約を概観してみると、野党共闘で統一候補を立てているだけあって、基本的には同じような内容になっています。

 景気対策、雇用対策について見てみると、消費税10%引き上げへの反対に加え、マクロ経済政策や産業政策といった王道的な政策よりも、働く人の懐を温めることや待遇の改善に重点を置いています。

 具体的には、以下のような政策が挙げられています。

・最低賃金の引き上げ(共産:1500円、立憲民主:1300円、国民民主:1000円以上)

・非正規を正規雇用化(立憲民主、共産)

・農家戸別所得補償(立憲民主、国民民主)

・職業訓練プログラムの充実(立憲民主)

・年収500万円以下世帯に家賃補助(国民民主)