◆「壁」の乗り越え方
◇勉強を面白くするために

 学校の勉強でのつまずきが、子どもの自己肯定感を下げるケースは多い。毎日の授業がわからないと学習意欲は下がる一方だ。また、テストの点数は他の子との差を見えやすくする。「どうせ自分にはわからない」と思って授業を聞くと、ますますわからなくなる――。そんな負のサイクルに陥ってしまう。

 これを防ぐのに役立つのが、生活体験と勉強を結びつけることである。特に子どものうちは、「算数嫌い」にならないことが重要である。基本的な算数力のなさは将来的にも尾を引く。

 著者がすすめるのは、リアルなお金にふれる「買い物」という機会に、子どもが支払いをすることである。算数嫌いの予防と克服に有効だからだ。数を具体的にイメージできるようになれば、算数への興味も高まるだろう。

 参考になるのが、オランダで実施されているイエナプランだ。この教育法では、勉強とは「教わるもの」ではなく、学年の異なる子どもたちがコミュニケーションを通して「自分で考えるもの」とされている。子どもが自分で考え、面白いと感じるきっかけがあれば、勉強は面白いものになっていく。

◇子どもたちが本当にやりたいこと

 著者は、全国の小学生1000人に「放課後や夏休みにやってみたいこと」についてアンケート調査を行った。1位はサッカー、2位はドッジボール、3位は鬼ごっこ。5位は「なし」という結果になった。

 やりたいことがない、わからない、どうでもいい。このような状態の子どもが一定数いる。その背景には、保護者が一週間の子どもの居場所を決めていることが挙げられる。子どもたちだけで遊んだり、遊びを考えたりする機会が減ってしまったのだ。「子どもの自主性」を育むためにも、やりたいことがわからないという声には危機感を持ったほうがよい。