リブセンス社長・村上太一氏Photo by Jun Takai

『週刊ダイヤモンド』7月13日号の特集は「新OBネットワーク 早慶東大一橋」です。鉄の結束が広く知られるライバル・慶應義塾大学の「三田会」と比べ、あまりその実態が知られていない早稲田大学のOBネットワーク。そもそも「群れないことが美徳」「早稲田出身であることをわざわざ宣言しない」というOBの気質も影響しているようです。ところが、大学公式のOB会組織・稲門会とは無関係なところで強く結ばれ、かつそのつながりが後輩をも助けている知る人ぞ知るネットワークがあります。商学部で“早稲田大学校友等起業家有志”13人により運営されている寄付講座「起業家養成講座Ⅱ」です。発起人で有志メンバーの一人である村上太一・リブセンス社長に、「早稲田ならではのネットワークの強み」について聞きました。本誌インタビューを拡大した特別版を公開します。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

講座を存続させたいとの思いに起業家仲間が集結

 起業家養成講座との関わりは、起業を考えていた早稲田大学高等学院3年生のときにさかのぼります。「早稲田大で起業家養成講座が新しく始まり、講座の中で行われるビジネスプランコンテストの優勝者には1年間オフィスが無料貸与される」という新聞記事を見て、この授業を受けるぞ、と決めました。

 当時は全体で25人程度の小規模な授業でした。ディー・エヌ・エー創業者の南場智子会長やGMOインターネットの熊谷正寿会長など、そうそうたる起業家の話を聞くことができ、強烈な刺激を受けました。その後コンテストに優勝して無料で借りた大学内のオフィスで起業したのが、リブセンスの始まりでした。

 その後、その講座が当時のスポンサー企業の事情でなくなることになると知りました。起業のきっかけをくれた授業を絶やすわけにはいかない、なんとか存続できないか、との思いに「よし、みんなでやろう」と応えてくれたのが、当時から付き合いのあった早稲田同窓の起業家仲間です。ヤフー専務の小澤隆生さん、若手スタートアップを対象にしたベンチャーキャピタルのSkylandVenturesの木下慶彦さん。当時は創業前だったメルカリ会長の山田進太郎さん、ユーザーローカルの伊藤将雄さん、nanapi、アルなどのサービスを起業した連続起業家のけんすうこと古川健介さん。旧MERYを立ち上げた中川綾太郎さん。投資家の須田仁之さんなどです。