危ない会社を見分けるためにはいったいどうすればいいのか──。
企業が信用に値するかどうかを見極めることは、ビジネスの現場で役立つ必須スキルだ。
取引先の経営状況を適切に把握しなければ不良債権の発生につながりかねず、最悪の場合、自社が倒産に至る可能性すらある。
投資家の立場からしても、株を買った企業が倒産してしまえば、大損することになる。
ただ、企業の倒産リスクを個人で調べようとしても、どこから手を付けていいのか迷うだろう。
そこで、企業の信用調査を長年にわたって手掛けてきたベテラン調査員である、東京商工リサーチの友田信男常務取締役情報本部長に、プロの目線で危ない会社の見分け方を特別講義してもらった。
友田氏によれば、企業を見るべきポイントは「ヒト」「モノ」「カネ」の三つに集約されるという。
ヒトは経営者と社員。モノは商品やサービス、取引先。カネは売り上げや利益、借り入れ、支払いのことである。
この3大要素こそが、企業の「成長」と「信用」そして「将来」を左右する最重要項目だ。金融機関や取引先、信用調査会社はそれぞれの基準に沿って、この3項目をチェックしている。