「情報というのは自分から取りに行くんだよ」

 横山氏はマネジメント論として、現場の若手社員らと積極的に意見交換することで、バッドニュースを含めたフィルターのかかっていない情報を得られると周囲に語っていたというが、トップとして郵便局員の営業実態を果たしてどれほど把握できていたのか。

 2度にわたる登板で郵政グループの内情を理解していながら、日本郵便やかんぽ生命に、新契約至上主義という一昔前の評価体系や、「回転売買」で営業成績を化粧できるような仕組みを温存させ、改めなかったその責任は、かんぽ生命の植平光彦社長を含めて決して軽くない。

 その横山氏と同じく、首筋が寒い人物がもう一人いる。ゆうちょ銀の池田憲人社長だ。

 郵政グループのポストを巡る陣取り合戦を、金融庁と総務省が長年にわたって演じる中で、池田氏は金融庁側の「刺客」として送り込まれ、敵対していた地方銀行との関係改善を期待されていた。

 池田氏が地銀の雄、横浜銀行の出身ということもあり、16年の社長就任以降は融和ムードがうっすらと広がったのは確かだ。

 しかしながら、一昨年からゆうちょ銀の預金限度額の一段の引き上げが政治マターになり、地銀と再び敵対することが避けられない状況になっても、池田氏は特段あらがうこともなく、永田町や総務省側になびくかのように、だんまりを決め込んでしまった。

 池田氏が潔く身を引くことを見越して、後任の人選に入っていた金融庁からは「ある意味、政治家なんでしょうね」という皮肉が漏れた。

 6月、ゆうちょ銀は高齢者への投信の不適切販売で総務省から行政指導を受けたが、続投が決まった安心感に浸るかのように、根本原因を究明することもなく、「顧客本位の仕事をしていく」という、どこかで聞いた言葉を繰り返すだけだった。

 そうして、常に永田町の住人の顔色をうかがいながら仕事をしてきた郵政の首脳陣は、今後どう立ち回っていくのか。

 選挙が終わり一段落すると、よりどころのはずだった政府・自民党が、首脳陣と徐々に距離を取り始める様子が見えてくるかもしれない。