狙い目は「既存のトッププレーヤー」がいる業界

――事業を成功させる秘訣は何だと思いますか。

 今が成功しているとは思っていませんが、以前よりも多くの人に知ってもらえるサービスをつくれるようになってきました。失敗を繰り返した結果、ビジネスは「市場選択」と「タイミング」がすべてだと学んだからだと思います。極論、この2つだけカバーしていれば、うまくいきます。

――市場の選択は、どのように見極めるのですか。

後払いで旅行ができるアプリ「トラベルナウ」(提供:バンク)
拡大画像表示

 後払いで旅行ができるサービス「TRAVEL Now(トラベルナウ)」を例に挙げて説明します。「トラベルナウ」は、旅行に行きたいタイミングでお金がなく、これまでだと諦めざるを得ない場合に、代金は旅行から帰った後の支払いでOKにするという、お金の流れを少し変えただけの仕組みです。サービス内容的に、旅行者全員が使うようなマスの売り方には向いていないかもしれませんが、100人に1人の需要はあります。

 とはいえ、旅行市場は約25兆円もある超大型マーケットです。100人中1人が使うレベルでも、2500億円の大きなビジネスになります。「市場規模=パワー」なのです。大きな市場で勝負すればするほど、ビッグビジネスへのチャンスになります。

――市場はどのように探していますか。

光本氏が活用している市場規模マップ(visualizing.infoより引用)
拡大画像表示

 新たなマーケットをゼロから見つけるよりは、市場規模のチャートを使って探しています。大きめの市場に狙いをつけて、その市場のトッププレーヤーが行っている現状のビジネスを観察し、改善点や非効率な点を見つけていきます。ユーザーに対して、今よりも良い価値を届けるにはどうしたらいいかを考えます。

――参入する業界にこだわりはありますか。

 全くないです。どの業界にも興味があり、常にウオッチしている状態です。だいたい各業界に1~2個は「こんなビジネスができるのでは?」という自分なりのネタを持っています。実際にやるかどうかは、タイミング次第ですが。

――ビジネスは「市場選択」と「タイミング」がすべてだとすると、タイミングはどのようにつかんでいますか。

 どんなに市場の選択が正しくても、タイミングが合わないとうまくいきません。僕の場合は、毎年テーマを定めています。2017年は「お金」、2018年は「旅」、2019年は「不動産」、2020年は「医療」というように、タイミングが重要だからこそ、あらかじめ1年間注目する市場を決めるんです。

 テーマの決め方は感覚的な部分も大きいのですが、すでにトッププレーヤーのいる業界を狙うことが多いです。トッププレーヤーがいる業界は、数年間メインとなるビジネスモデルが変わっていないことが多い。そこで、今の消費者の価値観に合わせたサービスを出せば、構造がガラリと変わる可能性があるんです。トッププレーヤーが現状提供しているサービスを今風につくり変えるだけでも、もしかしたら変革が起こるかもしれません。どの業界も必ず、このような変革期は定期的にやってくるので、タイミングをじっと見定めるんです。