
[オックスフォード 11日 ロイター] - グーグル系ウェイモの自動運転タクシーが走るのは、太陽が照り付ける米アリゾナ州フェニックスの広大な道だ。一方、そこからはるか離れた欧州のスタートアップ企業は、雨がちで混雑した街中を走る自動運転車の開発に当たっている。
英国でテスト走行するオックスボティカ、FiveAI、ウェイブといった企業は、欧州での自動運転には独自の課題があり、グーグルの親会社アルファベットが手がける自動運転事業ウェイモや、ウーバー・テクノロジーズ、オーロラといった米企業がまだ解決できていない領域だと指摘する。
ライバルの米企業に比べ、ごくわずかな元手で開発を行っているこれらのスタートアップ企業の関係者は、混雑した土砂降りのロンドンの道に適した、より安価な技術を提供するために様々なアプローチを取っていると語る。
FiveAIに出資するアマデウス・キャピタルのアレックス・バン・ソメレン氏は、「アリゾナのだだっ広いハイウェーを走るように作られた車は、(ロンドン南部の)クロイドンでは生き残れない。全く環境が違う」と語る。
これらの企業は、最も過酷な環境で動くシステムやソフトを開発することで、莫大な資金力の米企業がいずれ進出してきた際に、優位に立つことを目指している。