企業内で人種・性別の構成が多様化するなか、ダイバーシティやインクルージョンの推進は喫緊の課題となっている。大企業の多くがダイバーシティ研修を行っているものの、その効果を計測しているところはほとんどない。そうした研修は本当に効果を上げられているのか。価値ある研修を実践するためには、何をすべきなのだろうか。


 ほぼすべてのフォーチュン500企業が、従業員にダイバーシティ(多様性)研修を行っている。しかし、その効果を計測したことのある企業は驚くほど少ない。

 残念なことである。というのも、ダイバーシティ研修は時に逆効果となり、本来なら恩恵を最も受けるはずの人々を保身的にさせるおそれがある、という証拠があるからだ。さらに、研修によい効果がある場合でも、プログラム終了後は持続しない可能性がある。