[東京 23日 ロイター] - アスクル<2678.T>の社外取締役・社外監査役で構成する独立役員会は23日、都内で記者会見し、親会社のヤフー<4689.T>が岩田彰一郎社長の退任を要求していることについて「上場会社のガバナンス(企業統治)を無視している」と述べ、対応を批判した。

アスクルは退任要求の背景には個人向けインターネット通販「ロハコ」事業の譲渡を拒否したことがあるとみているが、ヤフーはロハコ事業とは関係なく業績低迷が理由と説明、両社の主張は真っ向から対立している。

独立役員会は、アスクルは上場会社であり、透明性の高いガバナンスが求められていると説明。取締役候補者について意見があるのであれば指名・報酬委員会にその旨を伝えるべきで、委員会の議論が終わった後、定時株主総会の直前になって岩田社長個人に対して辞任を迫る方法は問題があると批判している。

戸田一雄社外取締役は「ヤフーはアスクルの指名プロセスを知っているからこそ、プロセスが及ばないようにしているのではないか」と述べ、株主総会直前になって退任を迫った背景には指名・報酬委員会の議論を回避したいという意図があるとの見方を示した。

独立役員会のアドバイザーを務める日比谷パーク法律事務所の松山遙弁護士も「株主総会の1カ月前まで何一つ声を上げず、召集通知校了の1週間から10日前の段階でトップには辞めてもらう、次のトップは好きに選んでくださいという申し入れの仕方は、支配株主としていかがなものか」と苦言を呈し、「プロセスを守ることが親子上場の中でガバナンスを守っていく最低限のマナーだ」と批判した。

独立役員会はさらに、ロハコ事業をヤフーに譲渡することで、残された法人向け事業の弱体化を招くリスクが高く、少数株主の利益保護という観点からも慎重に検討する必要があるとの認識を示した。

こうした経緯を踏まえ、独立役員会は、1)今年の総会では指名・報酬委員会が決定した岩田社長を含む取締役候補を選任し、必要があれば来年に向けた委員会でヤフーの意見も踏まえて議論すべき、2)ロハコ事業は譲渡した方が企業価値が上がるのであれば譲渡も選択肢に入れて議論すべきだが、現在は再構築プランの施策を進めているところで、その効果を検証してから検討すべき、3)ヤフーとの提携は目的達成が著しく困難になったため、速やかに提携関係の見直しを交渉すべき──などの意見を表明した。

(志田義寧)