定年後の保険、どうするのがお得か?定年後の健康保険、どうするのがお得でしょうか? Photo:PIXTA

 前回の本コラムでは、サラリーマンが定年退職後に加入する健康保険について紹介した(参照:「定年退職後『健康保険』のお得な選び方、4つの選択肢を徹底解説」)

 サラリーマンは、勤務先を通じて被用者(企業や団体に雇われて働く人)のための健康保険に加入しているが、退職するとその健康保険を使えなくなるので、その他の制度への加入手続きをとらなければならない。

 通常の退職とは異なり、定年退職した人は、次の4つの選択肢がある。

(1)会社員の家族(子どもなど)の健康保険の被扶養者になる
(2)退職した会社の健康保険の任意継続被保険者になる
(3)特例健康保険組合の特例退職被保険者になる
(4)国民健康保険に加入する

 このなかで、保険料の面で有利なのが、(1)の家族の健康保険の被扶養者だ。サラリーマンが毎月支払う健康保険料は、平均月収(標準報酬月額)に一定の割合(保険料率)をかけたもので、扶養家族が何人いても変わらない。親が子どもの健康保険に加入しても、子どもの保険料負担が増えることもないし、親も保険料の負担なしで健康保険に加入できる。

 健康保険に加入している被保険者(この場合は子ども)と生計維持関係にあること、年収180万円未満(60歳以上の場合)などの要件があるので、親なら誰でも子どもの健康保険に入れるわけではないが、それを満たしていれば、被扶養者は保険料を負担しなくても健康保険に加入できる。

 定年退職後の健康保険を考えるとき、真っ先に検討したい加入先だが、子どもと親の年収、加入先の健保組合によっては、医療費が高額になったときの高額療養費が、反対に不利になってしまうケースもある。

 そこで、今回は、子どもの健康保険の被扶養者になって得するケース、損するケースを考えてみたい。