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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーが予測する10大トレンド
――電気自動車の普及には時間がかかる?

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第58回】 2012年7月6日
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3 大量のセンサーを使い膨大なデータを集めて
   活用するアプリケーションが開発される

 センサーの価格が安くなり、データを集めやすくなった。集めたデータを無線携帯端末、ソーシャル・メディア、クラウド・コンピューティングと結びつけて様々なアプリケーションが開発されるだろう。これらはエンターテインメントにとどまらず、医療(症状と薬との関係)、セキュリティ、交通量制御等、我々の生活の様々な場面で活用されるだろう。

 パネリストは全員賛成であった。ただ、今のビックデータの活用法は広告主を利する方向ばかりで好ましくない。集めたデータを解析しても意味のある結果が出ないこともある。既にセキュリティの面で多く活用されているが、情報の透明性を確保することが重要である。参加者は賛成84%、反対16%であった。

4 電気自動車(EV)は
   今後急速に普及する

 化石燃料を自動車内部で燃焼させて動力に変えるよりは、化石燃料を一箇所で大量に燃焼させて電力に変えるほうが、社会全体にとって効率的である。これから2年ぐらいの間に、市場に投入されるEVの所有コストは、ガソリンの普通車の価格を下回るようになり、普及に弾みがつくだろう。仮に米国で普及しなくても、2億台のスクーターが走る中国では確実に普及する。

 これには発表者Jurvetsonを除く全員が反対した。代替エネルギーとしては電気より天然ガスが優先する。電池は古い技術であり、充電に時間がかかりすぎ、電池寿命も短すぎる。しばらくハイブリッド時代が続くのではないか。現在のガソリン価格4ドル台(1ガロン=約4リットル当たり)では安すぎる。10ドルを超えても駄目で、急速に普及するには20ドルを超えないと無理。参加者の反応は賛成35%、反対65%であった。

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安藤茂彌
[トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ

シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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