会議ではアジェンダ(議題)を事前に定めて、それに則るべきだ。一見すると正しいようにも思えるが、経営上の難題に立ち向かうときは、その考え方を捨てるべきである。そうではなく、何を検討すべきかから一丸となって考えることで、出席者の当事者意識が高まり、より質の高い議論を促すことができる。


 会議に関する次のアドバイスは、誰もが聞いたことがあるだろう。「アジェンダ(議題)を作成し、それを守りなさい」。しかし、その会議で難問を解決しようとしている場合、これはとんでもなく間違ったアドバイスなのだ。

 短期間での業績アップ、合併効果の創出、新しい法規制への対応――こうした難問は、多種多様な要素が複雑に絡み合い、これを議論すれば解決できると決め打ちすることがなかなかできない。

 そもそも、そんな雲をつかむようなことをどう話し合えばよいのだろうか。既定のアジェンダでは会議結果にバイアスがかかるだろうし、出席者にもやらされ感が出てしまう。また、どんな検討項目について話し合えば問題解決につながるのかなど、事前に読めるはずもない。

 アジェンダは必要だが、会議という時間をどう共有するかは、それが数時間であっても、数日間であっても、出席者同士が決めるべきことだ。それには以下の手順をお勧めしたい。

 アジェンダの組み立てには、会議時間全体の10%~15%を割り当てる。半日の会議なら30分、2日間の会議なら2時間ほどになる。