導入が遅れた「条件付き解約制度」

 そうした状況で、日本郵便の幹部は「うちとしては(アフラックのがん保険は)自粛したいのが本音」と25日前後から、周囲に盛んに漏らし始めている。それまで同幹部は、業績への影響が大きい募集の自粛を「なぜする必要があるのか」と言い放っていたが、募集を続けることの説明が日に日に苦しくなり、このままでは持たないと考えたようだ。

 そこには、アフラック側の圧力が強いという構図にできればという意図が見え隠れするが、となると、積極募集の自粛を日本郵便に申し入れていた日本生命などの商品は、当然ながら自粛しないと支離滅裂な状況になる。

 「かんぽ商品以外も自粛」という記事が、週末の27日から相次いだのはそうした背景がある。さらに、日本郵便として批判の矛先を何とかアフラックに向けたいという事情もあった。その一つが「条件付き解約」の導入が遅れてしまったことだ。

 そもそも、アフラックのがん保険には、悪用などを防ぐために、契約日から保障開始までに3カ月間の免責期間(待機期間)がある。そのため旧契約から新契約に切り替える際には、保障が途切れないよう3カ月月間は新旧両方の保険料を払うことになるが、条件付き解約制度を利用すれば、保障の空白期間をつくらずに、新契約分の保険料だけを払えば済む仕組みになっている。

 アフラックは条件付き解約制度を2014年に導入し、当時から日本郵便に導入を提案してきたようだが、日本郵便は「システム対応の問題もあり、当時は必要性を認識できなかった」という。

 18年4月にアフラックのがん保険が改定(保険料免除条項を追加)になり、解約と新規契約のボリュームが膨らんだ昨年末になって、ようやく条件付き解約制度の導入を決めており、今年10月から適用する予定だったのだ。

 そうして、顧客の負担軽減につながる制度の導入は後回しにする一方で、かんぽ商品については不適切な募集を放置していたことになり、経営陣が謳っていた「顧客本位」がいかに口だけだったかがよく分かる。