目指すのは“優しいAI”

 LINEは6月の自社イベントで、音声認識とチャットボット、音声合成を組み合わせた飲食店向けの電話予約対応サービス「DUET」を発表している。今回の会見では、飲食店向け予約管理システム「ebica予約台帳」運営のエビソル、飲食店即時予約サービス「ビスポ!」運営のビスポとの提携を発表した。

 DUETの開発を通じて、どうすればAIで飲食業界の課題を解決することができるのかを考えてきたという舛田氏。飲食店の電話予約受付に注目したのは、予約の変更、キャンセルという繁忙時間に多いやり取りを自動化することで、店員が目の前の接客に専念できるからだと説明する。

「『人々の働き先がなくなる』『支配される』など、AIの発展に悪いイメージを持つ人は少なくありません。しかし、LINE BRAINが目指すのは“優しいAI”です。店員がやりたいことに集中し、それ以外の仕事を引き受けることこそがAIの役割だと考えています」(舛田氏)

日本語やアジア言語の精度でGAFAに優位性

 同じ音声AIによる予約サービスで先行するのがGoogleだ。同社が米国で提供する音声AIの電話予約代行サービス「Duplex」が2018年11月からサービスを開始して話題を呼んだ。これに限らず、AIのグローバル市場ではGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)の躍進が目立つ。

 そんな巨人たちに対して、LINEは国内マーケットにフォーカスする。LINE BRAIN室室長の砂金信一郎氏は、「LINEは日本語の教師データを非常に集めやすいポジションにいます。日本語やアジア言語の精度をいち早く高めれば、GAFAに対しても優位性を獲得できるはず」と語った。具体的なデータの集め方については、今回の発表では触れられなかった。

 また舛田氏はLINE BRAINの戦略について、何らかの分野でナンバーワンになる優れたプロダクトを開発すること、BtoBサービスであってもユーザー目線を忘れないこと、パートナー企業と協力していくことを挙げた。