エンジニア以外でもAIを調整可能に

 LINE BRAINの大きな特徴は、導入後のメンテナンスを簡単に行える「ビルダー」と呼ばれるツールを用意する点にある。AIの継続的なチューニングは、導入企業にとっての大きな障壁になっていた。例えばチャットボットなら正しく受け答えできていなかった質問内容を調査し、新たな教師データを与えなければ、回答は正確にならない。

 だがビルダーを使えば、複雑な操作なしにAIの挙動を確認したり、教師データを追加したりできるという。熟練のAIエンジニアでなくてもチューニングできるという触れ込みで、企業の導入障壁を下げるのが狙いだ。

 それでは各プロダクトを概観しよう。チャットボットでは、一問一答式の受け答えをするFAQ機能と、質問の答えを絞り込むことで購入したい商品を選択させるシナリオ機能、飲食店の予約に対して来店時間や人数など、必要な情報を漏れなく入手するための質問を返すスロットフィリング機能を用意する。カスタマーサポートや自社内でのFAQへの使用を想定しており、LINEが実施した日本語での精度実験では、グローバル企業(具体名は非公開)のチャットボットよりも高い正答率を記録したという。

LINEが行なった日本語でのチャットボットの精度実験データ。他社に比べ、対応できる質問の数が増えても正答率があまり低下しなかった。 Photo by N.N.
LINEが行なった日本語でのチャットボットの精度実験データ。他社に比べ、対応できる質問の数が増えても正答率があまり低下しなかった。 Photo by N.N.
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 OCRはレシートやPDFファイルの文字を認識するほか、あらかじめ書式を登録した請求書については、金額や取引先情報を認識した上でデータ化できる。将来的には手書き文字にも対応する予定だ。LINEが実施した日本語の認識精度をはかる実験では、Googleの画像解析API「Cloud Vision API」の認識精度が約10%だったのに対して、LINE BRAINは約70%の精度を記録した。

 音声認識では、数分程度を想定したリアルタイム認識機能と、録音した音源などを文字化する一括認識機能を用意する。電話オペレーターの支援や議事録の文字起こし、動画メディアの字幕作成などに使うことができる。