社員のあいだで知識の共有が進むと個人や組織のパフォーマンが高まる。経営者やマネジャーはそれを期待しており、さまざまな試みをやっているものの、期待通りの成果を上げている企業は少ない。彼らはなぜ、自分の中だけで知識を溜め込んだり、隠したりするのだろうか。オーストラリアと中国の知識労働者を対象にした調査に基づき、社員間での知識共有を促すために重要な3つのポイントが示される。


 会社は社員に対して、知識の共有を求めるものだ。

 知識の共有が個人やチームや組織の創造性とイノベーション、そしてパフォーマンスを高めることは、複数の研究からわかっている。だが、オフィスをオープンな設計にするなど、さまざまな試みがなされているにもかかわらず、知識の共有が進んでいない会社は多い。社員による「知識の溜め込み(knowledge hoarding)」とか「知識隠し(knowledge hiding)」と呼ばれる現象だ。