高額SaaSながら、高い継続率を保持

 MAツールであれば製品のリプレイスも比較的容易だが、さまざまなMAツールにつなぎ込む「基盤」となるデータ管理ツールであれば、リプレイスは難しい。安部氏も「言葉を選ばずに言えば、『はがせなくなる製品』」と自信を見せる。b→dashは月額5万円から導入できるが、導入企業の平均月額は、名刺管理サービスのSansanや、人事・労務管理サービスのSmartHRなど、同じ国産SaaSと比較しても高額だという。だが継続率は他のSaaS同様に高く、現在でも96パーセント以上を誇るという。

「本当にデータ活用できる環境をつくるには、専門知識を持った人だけでなく、アルバイトやインターンでも扱える必要があります。その先に、生産性向上がある。そういった課題を考えたときに『これはいける』と思い、2年前に開発をスタートさせたのがData Paletteです」(安部氏)

 また、タクシー広告や交通広告、ネット動画広告を駆使した大型プロモーションによる効果も企業の認知や導入を高める一手となった。テレビCMなどのマス向けではなく、あえて「データを扱う担当者」を狙ったことで、企業の意思決定者層への認知が広まり、コンペ勝率が68%から90%以上になった。この数値は、今回調達を決めた投資家たちも納得させた。

採用とマーケティングを強化、「3年で600名」の規模拡大

気になるのが、調達した100億円の使いみち。この質問に対して安部氏は「採用とマーケティングの強化に活かしたい」と話す。

「タクシー広告での成果をきっかけに、他企業のデータなどを見ながら『どこに投資すると売り上げが出るのか』という自社オリジナルのマーケティングモデルをつくりました。今後は、このモデルを実現するマーケターやカスタマーサポート、セールスに注力することはもちろん、このポジションを担える人材採用も強化していくつもりです」(安部氏)